第2巻 第1号(2019年12月)

2019年 12月 第2巻 第1号 掲載 原著論文査読あり

  • 成人女性における食行動異常と加齢との関連に関する調査
  • Prevalence of disordered eating among adult female and its associations with age
  • 村山 恭朗(神戸学院大学心理学部)
  • Yasuo Murayama(Department of Psychology, Kobe Gakuin University)

要 旨

摂食障害群は女性に多い精神疾患である。この疾患は主に青年期に発症するが,一部の摂食障害は30歳以降でも発症することが認められている。しかし,成人女性を対象とした食行動異常の知見は少ない。そのため,本研究は20-40歳代の女性1500名が呈する食行動異常,および食行動異常と加齢の関連を検証した。分析の結果,対象女性の16~30%が重篤な食行動異常を示した(過食:21.1%,代償行為:15.5%,過剰な食事制限:30.2%)。食行動異常と加齢の関連については,40歳代は20歳代よりも重篤な食行動異常を示すリスクが低かった。このことから,現代社会の成人女性における食行動異常の蔓延が示唆されるとともに,摂食障害群のリスク要因である食行動異常に対する予防的介入(心理教育など)や食行動に関する健康教育は,成人女性に対しても必要であると思われる。

キーワード:食行動異常 成人女性 加齢 ロジスティック回帰分析


Kobe Gakuin University Journal of Psychology
2019, Vol.2, No.1, pp.15-20

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