2022年 12月 第5巻 第1号 掲載 原著論文査読あり
要 旨
本研究の目的は,マインドフルネスの高さがセルフ・コンパッションの向上を促し,メンタルヘルスへ影響を及ぼすという仮説のもと,マインドフルネスがメンタルヘルスに影響を及ぼす際のセルフ・コンパッションの影響について検討することであった。その際,MAAS得点,SCポジティブ・SCネガティブ,ストレス反応をそれぞれ変数として,仮説モデルを作成し,パス解析を行った。結果として,MAAS得点からSCポジティブ,SCポジティブからストレス反応へは有意なパスは認められなかった。一方で,MAAS得点からストレス反応へ負の影響,MAAS得点からSCネガティブへ負の影響,SCネガティブからストレス反応へ正の影響が認められた。以上から,マインドフルネスとセルフ・コンパッションの関連について,SCのネガティブな因子に関してのみ仮説が支持された要因について考察し,今後はマインドフルネスを向上させるとともに,より効果的にセルフ・コンパッションの向上を促す方法について検討していくことを課題とした。
Key words : mindfulness, self-compassion, strain.
キーワード : マインドフルネス,セルフ・コンパッション,ストレス反応
Kobe Gakuin University Journal of Psychology
2022, Vol.5, No.1, pp.23-30