2022年 12月 第5巻 第1号 掲載 原著論文査読あり
要 旨
本論文の目的は,日本全国の地域子育て支援拠点の利用に関する調査を通して,地域子育て支援拠点事業,特に大学による事業の現状を把握し,神戸学院大学心理学部が主催する子育てサロン「まなびー」の役割を明確化することであった。就学前児をもつ子育て中の男女2,113名を対象にWeb調査を実施した。主要な調査項目は,調査対象者の生活状況,子育て支援サービスへのニーズ,地域子育て支援拠点事業等の利用状況(利用頻度,利用理由,利用満足度など)であった。有効回答2,110件に対して分析を行い,いくつかの重要な知見を得た。なかでも,地域子育て支援事業の利用を希望する人たちは「子どもを遊ばせる場や機会」を強く求めていることが示された。さらに,大学での子育て支援拠点の役割として,大学生と地域住民との関わりを促進するプログラムを提供することが利用者のニーズにこたえ,利用満足度の向上につながる可能性が示唆された。
Key words : childcare support, regional support, national Web survey, utilization of university facilities, needs of childcare support, users’ satisfaction, parents.
キーワード : 子育て支援,地域支援,Webによる全国調査,大学施設の利用,子育て支援ニーズ,利用満足度,親
Kobe Gakuin University Journal of Psychology
2022, Vol.5, No.1, pp.53-61