第6巻 第2号(2024年3月)

2024年 3月 第6巻 第2号 掲載 研究報告査読なし

  • 小学校における発達障害児の支援に関する研究のレビュー
    ―2006-2023―
  • Review of research on support for children with developmental disabilities in elementary school: 2006-2023
  • 岡本 光里(神戸学院大学心理学研究科)
  • Hikari Okamoto(Graduate School of Psychology, Kobe Gakuin University)
  • 村井 佳比子(神戸学院大学心理学部)
  • Keiko Murai(Department of Psychology, Kobe Gakuin University)

要 旨

 本研究は,国内の小学校での発達障害児への支援に関する研究をレビューし,現状の把握と今後の支援について検討することを目的とした。2006年から2023年に出版された小学校に在籍する発達障害児への支援に関する研究37篇を抽出し,研究を実施した場所,場所ごとの論文数の推移,研究の対象となった行動,それぞれについて検討した。その結果,研究を実施した場所は専門機関が最も多く,小学校での研究に関しては,通常学級での研究が多いことがわかった。研究対象となった行動については,「対人行動」に関する行動が最も多く,次いで「認知・学習」が多いことが示された。道城他(2008)では,日本における通常学級での研究が少ないこと,また,学業従事行動や学習行動,対人行動に関する研究が不足していることが指摘されているが,2006年以降の研究ではこれらの課題に対して一定の成果がみられることが示唆された。一方,地域との連携に関する研究は見当たらず,今後の課題であることがわかった。

Key words : review of research,elementary school,children with developmental disabilities.
キーワード : レビュー,小学校,発達障害児

Kobe Gakuin University Journal of Psychology
2024, Vol.6, No.2, pp.69−76

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