2024年 12月 第7巻 第1号 掲載 原著論文査読あり
要 旨
本研究は,大学が主催する地域子育て事業のありかたを考えるための一助として,神戸学院大学心理学部が運営する子育てサロン「まなびー」を利用している保護者を対象に,個別面接調査を行い,「まなびー」に対する支援ニーズや利用目的などについて探索的に検討した。保護者9名(全員女性,うち1名は70代の祖母,それ以外は20代と30代の母親,子どもはいずれも乳幼児)を対象に,2023年5~7月に,「まなびー」を開催している同室内にて1人あたり30分程度の半構造化面接調査を実施した。調査の結果,利用ニーズとして子どもが遊べる場所の確保,同じ年代の子どもを持つ保護者との交流,大学が提供する特別プログラムの利用などが挙げられた。保護者と子どもにとって,「まなびー」の利用が生活の刺激となり気持がリフレッシュされることが示された。今後,大学がどのような形で地域での子育て支援に貢献できるのかについて考察した。
Key words : community-based child-rearing support centers, university, child-raising salon, usage needs, interview survey.
キーワード : 地域子育て支援拠点,大学,子育てサロン,利用ニーズ,面接調査
Kobe Gakuin University Journal of Psychology
2024, Vol.7, No.1, pp.47−58