2025年 12月 第8巻 第1号 掲載 原著論文査読あり
要 旨
本研究では空想と攻撃性の経時的関連の検討を行った。大学生161名(男性60名,女性101名)を対象にBAQ日本版Buss-Perry攻撃性質問紙と最近の空想内容についての質問紙を用いて1週間毎の縦断調査を行った。2時点の各攻撃性と空想内における自傷度について,交差遅延効果モデルでの分析を行った結果,2つの過程が明らかになった。一つ目は敵意が高い場合,同時点の空想内で自身の心が傷つくという形で現れ,1週間後も同様に自身の心が傷つく空想を行うという過程である。二つ目は身体的攻撃が高い場合,同時点の空想内で自身の身体が傷つくという形で現れる一方で,短気が高い際は空想内で自身の身体が傷つきにくくなる。そして,自身の身体が傷つく空想を行った場合,1週間後も同様に自身の身体が傷つく空想が行われ,同時に言語的攻撃が低くなるという過程である。これらは,防衛機制と各攻撃性の機能の観点で説明することができ,攻撃性の原因となる欲求不満や被害,その攻撃性の機能に影響を受け,空想内の自傷として現れると考えられる。
Key words : everyday dissociation, fantasy, aggression.
キーワード : 日常的解離,空想,攻撃性
Kobe Gakuin University Journal of Psychology
2025, Vol.8, No.1, pp.21−28