第4巻 第2号(2022年3月)

2022年 3月 第4巻 第2号 掲載 研究報告査読なし

  • オンライン実験プログラムを用いた反応変動性測定の試み
  • An attempt to measure response variability using an online experimental program
  • 村井 佳比子(神戸学院大学心理学部)
  • Keiko Murai(Department of Psychology, Kobe Gakuin University)

要 旨

 本研究では,Web 上で実施可能な反応変動性を測定する実験プログラムによって,提示された言語の影響を見ることで,Web で収集したデータの利用可能性を検討することを目的とした。Web 上で実施可能な 3 つの実験プログラムを作成し,67 名(平均年齢 25.5 歳,標準偏差 3.1)を対象に実験を実施した。その結果,プログラム途中に言語提示がない場合は高い変動性が保たれるが,「どのように押すと得点が上がりましたか」という質問を提示したプログラムや,さらに「いろいろ押してみたのですね」といった言語刺激を提示したプログラムでは,全体として反応変動性のうち周期性が上がり,変動性が徐々に低下することが示された。一方,参加者ごとの変化を確認したところ,プログラム途中に言語提示がある場合,変動の個人差が大きいことがわかった。これらの結果は先行研究を支持するものであり,さらに検証が必要であるものの,対面と同様に Web 上でデータ収集可能であることが示唆された。

Key words : response variability, online experimental programs, translational research
キーワード : 反応変動性,オンライン実験プログラム,基礎と応用の橋渡し研究

Kobe Gakuin University Journal of Psychology
2022, Vol.4, No.2, pp.67-71

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