2024年 12月 第7巻 第1号 掲載 原著論文査読あり
要 旨
本研究は,大学が主催する地域子育て支援拠点事業の特色を明らかにするため,神戸学院大学心理学部が運営する子育てサロン「まなびー」に係るステークホルダーを対象に,集団の面接調査を行った。本学の子育て支援担当者(事務職員),子育て支援の保育スタッフ,地域(神戸市西区)の子育て支援担当者,本学学生といった4つのステークホルダーを対象とし,2022年12月~2023年8月に,「大学」あるいは「心理学部」の社会的意義や役割についての聞き取り調査を行った。逐語録の共起分析の結果,本学の子育て支援担当者では子育てサロン「まなびー」,保育スタッフでは「お母さん」「話す」など,地域の子育て支援担当者では「大学生」「若い」など,本学学生では「子ども」「学生」「自分」などの語りが多く,語同士の関連も強いことが明らかとなった。対応分析においては,本学の子育て支援担当者,保育スタッフ,地域の子育て支援担当者では,地域子育て支援拠点事業の全体を俯瞰した特徴語が類似していた一方で,学生の語りは自分自身に関するものが多いことが明らかになった。
Key words : community-based child-rearing support center, university, stakeholder, interview survey.
キーワード : 地域子育て支援拠点事業,大学,ステークホルダー,面接調査
Kobe Gakuin University Journal of Psychology
2024, Vol.7, No.1, pp.13−25