2026年 3月 第8巻 第2号 掲載 研究報告査読なし
要 旨
脳損傷により生じる認知機能障害の評価方法および報告書作成における要点について概説した。評価に先立ち,患者の背景情報を収集し,初回評価では認知機能のスクリーニングとともに全体的な行動特徴の把握を行う。スクリーニング検査の一例としてミニメンタルステート検査を取り上げ,その評価方法について述べた。評価に際しては,総得点のみならず,失点項目や誤反応の内容に着目する必要がある。スクリーニングにより検出された障害については,神経心理学的検査を用いて質的特徴および重症度を詳細に評価する。検査終了後は,検査結果と行動観察所見を関連づけて解釈し,報告書としてまとめる。神経心理学的所見の報告書は,見当識や注意といった基盤的な認知機能から,記憶,言語,遂行機能などの上位認知機能へと段階的に記載する構成とする。適切な手順に基づく評価の実施と評価結果の整理・報告は,症例理解を深め,今後の支援や介入方針を検討する上で有用であると考えられる。
Key words : cognitive function, screening, neuropsychological test, report.
キーワード : 認知機能,スクリーニング,神経心理学的検査,報告書
Kobe Gakuin University Journal of Psychology
2026, Vol.8, No.2, pp.109−114